大野農園さんは、山形県の東置賜郡高畠町にあります。
到着し、ご挨拶すると、
暑かったでしょう、、と奥様の裕見子さんが枝豆と薄皮丸なすのお漬物を出してくださいました。
薄皮丸なすは山形おきたま伝統野菜に認定されている、置賜地方で栽培される漬物用の茄子だそうです。
「このお漬物を食べると夏の訪れを感じる」と義理の娘さんである美千代さん。
神奈川で生まれ育った私にとっては地元の農産品で旬を感じられる、そういうものが羨ましい…!
早速いただくと、食感が良く、暑い夏にはこのしょっぱさが欲しくなる!と言わんばかりの美味しさ。ご馳走様です。
では早速、大野さんご家族の皆さんお話お聞かせください<(_ _)>
*大野農園さんについて教えてください。*
正敏さん :昔はこの辺りはりんごの産地だったんだよ。
むすぶ :そうなのですね!大野さんのお父様もりんごを栽培していたのですか?
正敏さん :父親の代はぶどう農家でデラウエアを栽培していたよ。ただ、デラ ウエアは栽培が難しく手間もかかる、粒も小さいので今の時代に合わなくなってきていると感じるね。だから、継いでからは高尾やワイン用のぶどう、他の品種も作るようになったんだ。
むすぶ :お父様の代とは違う取り組みをされたと聞いていたのですが、ご自分の意志で高尾という品種の栽培に挑戦し、時代に合わせた方向性を模索されたのですね。
美千代さん:義理の父と母は高尾というぶどうに惚れ込んで、頑固に栽培を探求してきました。時には意見が飛び交うこともありますが、裕司(正敏さんの息子さん)、私含め家族全員で楽しんでぶどうを栽培しています。
むすぶ :そうなのですね。大野さん一家が高尾を作り続けてくださったからこそ私も出会うことができました。ありがとうございます。高尾以外にはどのような品種を作られていますか?
正敏さん :高尾が半数以上を占めていて、他はシャインマスカットとシナノスマイルが多いかな。
美千代さん:その他にも黄玉や翠峰、ロザリオ系など色んな品種ありますね。
むすぶ :高尾以外にも数多くつくられていらっしゃるんですね。
美千代さん:ぶどうは不思議な果物で、品種によって見た目、味、食感、香りが面白いくらい異なります。
高尾を始め、ぶどうが持つバリエーションの楽しさをお伝えしていきたいです!
*高尾の魅力はなんでしょう?*
むすぶ :正敏さんは高尾という品種に惚れ込んだとお聞きしたのですが、、、1番の魅力を教えていただきたいです。
正敏さん:なんと言っても味だね。ぶどうの生産者が絶賛するほど味が濃くて美味しい品種なんだよ。
むすぶ :ぶどうを知り尽くした生産者の方々がそこまで絶賛するほどなのですね。私も昨年大野さんの高尾をいただきましたが、黒ぶどう派なのでハマりました。香りが良く、とても甘かったことを覚えています。 *美味しい品種にもかかわらず高尾をあまり見かけないのはなぜでしょうか?
正敏さん:栽培が難しくて作る人が少ないんだよなぁ。
むすぶ :栽培が難しいというのは、病気に弱いとかそういうことでしょうか?
正敏さん:いやいや、病気に弱いわけではないよ。ピオーネやシャインはこの場所に芽が出て大きさはこれくらいになるとか予測がたてられるし、予測通りになることがほとんどだけど、高尾はそうはいかない。長年栽培していても分からないことは多い。だから、高尾に合わせるんだ。
むすぶ :高尾に合わせた栽培、高尾に寄り添った栽培をすることでこんなにもたくさん大粒の高尾ができるのですね。まるで芸術作品のようです。この周辺でも高尾を栽培されている生産者の方はいらっしゃるんですか?
正敏さん:美味しいから作りたいと思う生産者は多いけどなかなか外に出荷できるほどの量を作る人は少ないね。この周辺も全国的にも同じく。どうやら、大野農園の高尾出荷量が日本で1番多いみたいなんだ。
むすぶ :え!大野さんの高尾の出荷量は日本一なのですか!!高尾職人という噂は聞いていましたが、、すごいですね!
むすぶ :日本一の高尾職人大野さんに出会えたこと、高尾という品種に出会えたことに感謝です。
*ぶどうのおすすめの食べ方を教えてください。*
正敏さん :到着したら、パッケージから出して涼しいところに置けば大丈夫。
むすぶ :スーパーなどで粒売りのぶどうを見かけますが保存状態は変わりますか?
正敏さん :房から粒だけ外したほうが品質は長持ちするよ。ぶどうは先っぽの蔓から養分を吸収して生育が進む。収穫すると、その切断した蔓の先っぽから逆に養分が出ていってしまうから房ごと保管するより粒だけにしたほうが良いね。
むすぶ :そうなのですね!房ごと保管することが多かったので勉強になります。今回2kgをご注文いただく方は4房くらい届くかと思うのですが、、
正敏さん :食べきれない場合は、冷凍したらよいね。
美千代さん:冷凍すると、シャーベットみたいな生の高尾とは違った高尾を楽しめますよ。
むすぶ :凍らせて食べても美味しそうです。今年はやってみます!
裕見子さん:高尾と赤ワインも合うから試してみて!!
むすぶ :はい!!!
大野さんのデラウエアと薄皮丸なすのお漬物をお土産に頂き、大野農園をあとにしました。
帰宅後、家族に薄皮丸なすのお漬物を渡すと、食べた瞬間大絶賛!
これで夏バテせず、残りの夏も乗り切れそうです。裕見子さんありがとうございます。
途中からデラウエアの選別作業をしておられた正敏さんですが、優しい声と職人の手が印象的です。話していると包み込まれるような感覚になります。
そして、高尾の話をするときの頷き方が深くて、、大野さん自身が高尾に魅力を感じ、高尾の価値を伝播している方なのだなと改めて感じました。
美千代さんのコメントにもありましたが、家族一丸となって、高尾の栽培に打ち込む姿、支え合いながら作業をする姿も心に残りとても素敵な光景を見ることができました。
この温かい大野さん一家から強い想いと共に皆様の元へお届けいたします。